相続対策だけで不動産購入は危険
相続税を安くしたいというのは多くの不動産所有者さんの本音でしょう。しかし多くの方がきちんと相続税や相続税対策目的についての国の判断についてきちんと勉強していません。このために間違った広告や専門家と称する人の言葉を信じて失敗する人も多いでしょう。今回は危険な相続対策での不動産購入、安全な不動産購入についてお話しします。
古くから行われてきた不動産購入による相続税対策
相続税を安くしたいから現金を不動産に代えるつまり不動産を購入することは古くから行われてきました。
実際の不動産の売買金額よりも相続税の計算に使う不動産の評価額が安いため相続税が安くなるのです。
例えば現金での相続なら1億円、不動産での相続税の評価額なら5000万円だとしたら税率が5000万円分の相続税が安くなりますね。
一番有名なのはタワーマンション購入です。
この方法によって大きく相続税が安くなったことも事実です。
相続対策目的だけで不動産購入は国が認めない方針
相続対策目的だけで相続対策に対しては危険なのは専門家の常識でしょう。国は相続税を意図的に安くするだけの目的での不動産取引については税務調査で否認する判断が出ています。
相続開始前に不動産購入して相続開始直後に売却は一番危険
一番危険なのは相続開始直前に不動産を購入して相続開始直後に売ることです。
明らかに相続税を安くすることだけが目的と判断されるでしょう。
この場合相続税の原則通り不動産を時価(つまり不特定多数が売買する金額)で評価するとされてしまいます。
相続対策目的だけの不動産購入は短期売却の時に買った値段で売れない
相続対策だけで不動産を購入した場合、短期間で売却しなければならないとき買った値段で売れない場合が多い可能性があります。
現金不足は相続時分割会議が難航
現金が少なく大きな不動産が一つで相続人が多いとほぼ例外なく相続分割会議が難航します。
相続税の支払いに苦労
相続税は安くなってもゼロになることは少ないでしょう、この時相続税の支払いは現金で一括10か月以内ですので現金が少ないと苦労することになるでしょう。
自然な不動産売買で結果的に相続税が安くなるのが安全で幸せ
国は自然な不動産売買つまり他に大きな目的があり不動産売買を行い、結果として相続税が安くなることまで認めないわけではありません。
むしろ歓迎です。経済効果があるからです。
自然で幸せ目的での不動産購入の例 売却の例
儲けるために仕事としての不動産購入
自分や親族が使用目的での不動産購入
つまり相続税を安くするためではありません。
このため売却時期も目的が終了した時ですね。少なくとも相続開始直後に売ることはないでしょう。
楽しく正確な知識を勉強しましょう
日本は重要なことは国が法律で決めています。
安全な不動産取引は、正しい知識が必要です。
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令和3年9月30日
中野区新井2-2-1松本ビル2階
相続と不動産コンサルタント
森本和彦