中野区杉並区土地建物所有者さんの心配、高齢生活費用・財産有効活用・相続対策の最大の敵認知症と対策
昨年中野区で相続、不動産問題についての勉強会を行った際、質疑応答で土地建物所有者さんの心配の一つは、相続対策より認知症の問題でした。親が認知症になれば介護が大変で相続税の心配どころではないこれが実態でしょう。今日は認知症の実態と対策についてお話ししたいと思います。
認知症の可能性
認知症は65歳からが発症の可能性が出てくるといわれています。
しかし実際に診断を受けて認知症と確定している割合は約15%
その一歩手前が約15%だそうです。
合わせて30%以上です。
しかし表面に出てこないものを含めると認知症の割合はさらに上昇するでしょう。
年齢が高くなれはなるほど、認知症の可能性は高まるでしょう。
認知症の怖さは経営判断ができなくなる、法律行為ができなくなる
土地建物の所有者の方は、中小企業の経営者の方でもあるケースが少なくないでしゅう。
このとき一番重要なことは経営判断です。
認知症になれば経営判断も、法律行為もできなくなりこれが一番のリスクになります。
認知症は残された家族に大変な負担
認知症になれば、現実的に対処に当たるのは残された家族です。
しかしここに法律的な問題が発生します。
本来なら元気な人に交代し権限を行使すればよいだけです。
しかしこれが法律上許されていません。
このため今まで認知症になれは、問題の放置となっていました。
一番大変なのは家族だったでしょう。
当面は生活費問題、介護施設の入居費用、相続税問題、相続分割問題です。
認知症で家族が直面する現実
認知症になった親をどうするか?
介護の問題です。費用も高額です。
この費用は当面自分で負担しなければなりません。
本人が認知症のため、代理行為もできません。
本人の預金や年金も子供といえど使うことができません。
法定後見の申し立てを家庭裁判所にしなければいけません。
法定後見の限界
法定後見制度は認知症の親の財産を守ることが最大の仕事です。
リスクがある可能性があることはできません。
建物の大修繕、室内のリフォーム、売却、投資物件の購入
など相続対策はできなくなります。
法定後見の場合 自宅売却は後見人が裁判所の許可を経て
不動産の売買を長年行っていると、認知症の所有の自宅の売買は珍しくありません。
認知症の方にとっての生活の拠点ですので、きちんとした生活の拠点が確保され、やむを得ない理由がなければ認められません。
認知症の対策
これは認知症になる前に行わないとできません。
一番一般的なものは生前贈与です。
これは権限を若い世代に譲ることです。
もう一つは信託です。
これが一般に言う家族信託です。
生前贈与には高齢の親が反対
実は生前贈与は、政府が最も重視している政策ですが、あまり進みません。
なぜか? 親は子供に気を使って生きたくないからです。
長年高齢のお客様の仕事をしていると、子供と自分は別子供の世話にはなりたくないという方が大半です。
80代での方でも元気な方もたくさんいらっしゃいます。
認知症になっても家族が安心家族信託
近年認知症対策で、相続対策で注目を浴びているのが家族信託です。
家族信託
家族信託は外国では普通日本では今までは大きな財産に限られていた
信託そのものは外国では普通で、日本でも大きな不動産については
信託銀行が行っていました。
しかし数億円以下の小型のものはほとんどありませんでした。
そこでできたのが民事信託、一般に言う家族信託です。
親が信頼できる家族に財産を預け運用してもらうものです。
家族信託はどこまでできる
委託した親が委託したのち、認知症になっても財産の運用権を映していれば、自宅の売却、大型リフォーム賃貸、アパートマンションの建設なども可能です。
運用の収益について自分が死んだら次はだれまた次の人が死んだらつぎのつぎはだれと指定できます。相続対策です。
また不動産問題の共有についても解決策となります。
家族信託の仕組み
所有者である高齢の親が信頼できる家族に財産を預け運用を任せます。運用から発生する収益を委託者は受け取る仕組みです。
預ける財産は登記の名義まで変更します。
家族信託の限界
家族信託は万能ではありません。
委託された財産のみの運用権限です。
また遺留分等相続に関する権利は侵害できません。
現実的には家族信託と法定後見の併用
現実的には大きなものは家族信託で残りは法定後見となるでしょう。
つまり併用が現実的でしょう。
現行の家族信託の問題点
家族信託は、戦後憲法改正により平等主義が生んだ誰かは一人でも反対すれば何も進まないという問題の解決策、認知症の対策、相続の対策として優れた一面はありますが、まだ現実的な対応できる金融機関等が少なく、仕組みがわかりにくいのが現実です。
家族信託は専門家に依頼 費用も高額かも?
専門家のコンサルタント費用は委託財産の約1%が多いようです。
あまり小さいと費用対効果の面で検討が必要でしょう。
東京の場合は非常にいい制度でしょう。
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平成31年2月25日
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