中野区杉並区今問題となっているサブリースの正体と真の問題点
本日の日経新聞を読んでいましたら、家主と地主という雑誌でサブリースの正体というテーマが取り上げられていました。中野区や杉並区にもサブリース物件はたくさんあり私もサブリース会社の責任者をしたことがありお本が出版されていましたので今日はサブリース、家賃保証、一括借り上げの実態についてお話ししましょう。
サブリースの仕組み
サブリースとは、借りて貸すことです。
つまり建物の所有者さんから借りて実際に使う人に貸すことです。
一括して借りることから、一括借り上げと呼び、また借り上げ家賃が一定期間定額なことから家賃保証といいます。
サブリースの法律関係
サブリースには2つの法律関係があります。
一つは建物所有者さんと一括して借り上げ会社との契約
もう一つは一括借り上げ会社と実際の使用者さんとの契約です。
いずれも借地借家法の適用があります。
法的問題点
建物の所有者さんが一括借り上げをやめようとした場合はどうなるでしょうか?
問題になりますね。
簡単にはやめられない一括借り上げ会社が多いと思います。
借地借家法を根拠に解約を拒否する会社もいるでしょう。
もう一つは、一括借り上げ会社との契約を解除できても、実際の入居者との契約は解除できません。
建物所有者さんとの直接契約になるだけです。
一括借り上げはなぜ始まったの?家賃保証はなぜ始まったの?
以前は一括借り上げ制度はなかった制度です。
なぜ始まったのでしょうか?
原因は地価の高騰、バブル時期だと思います。
このころ不動産会社は、アパートマンションを建てて家賃保証をすれば飛ぶように売れました。
また相続税対策にアパート建てましょう、マンション建てましょうという営業が行われていました。
この際に地主さんは建ててもいいけど、本当に満室になるのという心配をなくすためです。
実際の家賃保証一括借り上げ会社の計算式
実際の運用入金額-利益=保証家賃
保証家賃・一括借り上げ家賃は実際の運用に連動する
実際の運用が下がれば連動して借り上げ家賃は下がります。
重要なことは建物所有者さんが決定権を持つか?
持ちませんただ一括借り上げ会社にいうだけです。
重要なことは実際の運用状況のほうです。
建物所有者は運用状況が悪いと借り上げ家賃が下がります。
結果責任はすべて建物所有者が負担
事件事故の結果責任は建物所有者さんです。
重要なことは家賃の保証ではないということ
2年ごとの借り上げ家賃の見直しがあります。
リフォーム費用は建物所有者負担です。
新築時の状況、退出後はリフォームされた状態で借り上げますのでリフォーム費用は全額建物所有者さんが負担します。
まとめ
サブリースを利用する場合はデメリットも十分認識して利用することが重要です。
不動産のプロの常識は、「不動産業界においしい話は転がってない何が落ちですか?」
「おいしい話は詐欺だけ」
平成31年4月29日
中野区新井2-2-1松本ビル2階
不動産コンサルタント
森本和彦