中高年の財産整理 借地権の売却の手取計算
借地権の売却は所有権と大きく異なる手続きがあります。
一般的な場合を想定して、売却の際に必要な経費や税金の参考例を紹介します。
借地権独自の手続き 所有権者の売却事前承諾
借地権は本来自分が借りて使う権利です。
所有権は、所有権者のものです。
本来売却できませんが、所有権者である地主さんの承諾があれば、第3者に売却できます。
所有権者さんへの借地権売却(譲渡)承諾料
借地権の譲渡については事前に所有者である地主さんの承諾が必要ですがこの場合、東京地域では一般に譲渡承諾料が借地権価格の10%程度かかります。
単純に売却する場合
借地権付き建物の売却となります。
売却代金と経費・税金・手取り金額の参考例
借地権の売却のときの単純な場合の計算例
売却代金
経費
- 譲渡承諾料
- 仲介手数料
税金の計算
長期所有の場合つまり譲渡年の1月1日現在で所有期間が
5年超の場合は儲けつまり譲渡利益に対して所得税15%と住民税5%と復興税がかかります。
売却代金が3000万円のケース
利益×約20%
利益は
売却代金-借地権取得費-建物取得費(減価償却後)
-譲渡承諾料-仲介手数料等
3000万円-1000万円-50万円-100万円-300万円-96万円=1454万円
税金 1454万円×約20%=290万円
手取計算
3000万円
-300万円
-96万円
-290万円
=2314万円
居住用の場合は優遇税制あり 一例3000万円特別控除
借地権付き建物が居住用の場合は、居住用財産の譲渡の特例が使える可能性があります。
使えた場合3000万円までの儲けに対しては税金がゼロとなります。
ただし、この制度は確定申告書にこの特例を使いたい旨及び一定の書類の添付をした確定申告書を期限内に所轄税務署に提出しなければなりません。
令和2年5月17日
中野区新井2-2-1松本ビル2階
不動産コンサルタント・相続診断士
森本和彦